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ロシア演劇情報

オムスク・ドラマ劇場の新作!

2012/11/30
 日露演劇会議事務局

オムスク・ドラマ劇場新作 M.ブルガーコフ『逃亡』

12月1日にシベリアのオムスクにあるドラマ劇場が新作を上演する。上演される戯曲は、ロシア文学の巨匠ミハイル・ブルガーコフの代表作『逃亡』Бег(1926-37年)。

オムスク・ドラマ劇場は、今回の上演にあたり、劇場の2枚看板V.アレクセーエフ(人民俳優)とM.オークネフ(ゴールデンマスク受賞)を競演させた。内戦中、ロシア南部へと敗走した白衛軍の運命を斬新に描くこの作品について、白衛軍の敗将チャルノターを演じるアレクセーエフは次のように語った。

 「『逃亡』はロシア演劇を飾る名作だ。『逃亡』はまさに我々が失ったもの、永遠に手放してしまったものを物語る。」

『逃亡』は反体制的な作品として知られ、モスクワ芸術座は上演を試みるも、検閲のため作家の存命中に上演が許されることはなかった。しかし、この名作はソ連時代に映画化され(1970年)、今日に至るまで絶大な人気を誇っている。(佐藤貴之:モスクワ)

ちなみに、オムスク・ドラマ劇場は私たち「日露演劇会議」の発足の機縁ともなった劇場。そのレパートリーの多様さ、上演レベルの高さはロシア演劇界屈指のものがある。しかも、上演されるのはブルガーコフ作品。いま日露演劇会議翻訳部会でも「ブルガーコフ全戯曲」を翻訳中だ。

http://www.jrtf.jp/