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ロシア演劇情報

〈今週のモスクワのレパートリイを見て思うこと―P・フォメンコのことも〉

2013/03/20
 日露演劇会議事務局

試みに今週末のモスクワのレパートリイを調べてみた。

マールイ劇場は相変わらずN・オストロフスキイ作品が多い。新作は『持参金のない花嫁』3月21日19時と、プーシキン作『スペードの女王』3月22日19時とである。

モスクワ芸術座の新作は3月23日19時『クレチンスキイの結婚』スホヴォ=コヴイリン作である。ちょっと見てみたいのは3月21日19時『巨匠とマルガリータ』2011年6月初演。モスソヴェート劇場で覗いて見たいのは『クレチンスキイの婚礼』スホヴォ=コヴイリン作という古典。同劇場の22日『ワーニャ伯父さん』と23日の『三人姉妹』(2011年10月初演)の二つは共にチェーホフ作だが、もう結構という気分(私の勝手な気分だが、傑作の評判でもない限り見たくない)。

やはり見に行きたいのはフォメンコ工房。巨匠ピョートル・フォメンコが亡くなったのは2012年8月9日。

 あれから私も「モスクワへ」という目標を失ってしまった、もうロシアの舞台を追跡する気分を無くして い た。でも工房のレパートリイを見ていると、巨匠亡き後も、彼の作品が生き続けている、見たい誘惑を感じる。見たいのは昔初演で見たのだが、22日19時のB・バフチン作『ある完全に幸せな村』と。23日19時ブルガーコフ原作の『劇場ロマン』である。後者は巨匠の構想・演出による作品で彼の生前に幕を上げたのは、4月10日だったが、2012年度の『クリスタル・トゥランドット賞』の演出賞を没後に共演出のキリル・ピロゴフが受賞した。賞や名誉称号はいくつも貰った人だが、没後も受けたと評判になった。彼の肖像と、舞台写真を添えておこう。桜井郁子