モスクワ訪問記(2)
無事、モスクワに着いたケンさんは、
「あれれ」
だった。
「マイナス20度はともかく、マイナス10度くらいは」
と思っていたら、何と暖冬。
昨日などはプラス5度だった。
もちろん雪はなし。
滑って転んではいかんと、トレッキングシューズをはいて出かけたのに、道行く人はすべて普通の革靴。
「あれれ」
だったのだ。
それはともかく、トベルスカヤ通りを1本入った路地にあるプチ・ホテル、プーシキン・ホテルに投宿(部屋の写真)したケンさんは、翌日、早速散歩を開始した。
まずは、宿から徒歩10分の演劇人同盟の劇場を見に出かけた。
この劇場、かつてケンさんが講演をおこなった思い出の劇場である。
プーシキン広場のすぐそばにある。
この劇場を見届けたあと、ケンさんは、やはり懐かしのバフルーシン演劇博物館を訪問した。
写真は、その特別展示室に置かれた名優シェープキンの石膏像。
ロシア・リアリズム演劇の先駆者で、農奴出身の俳優だった彼は、プーシキンやゴーゴリに愛された人でもあった。
次に足を延ばしたのはタガンカにある演出家ジェノバチの劇場。
瀟洒で粋な劇場だ。
この劇場、スタニスラフスキーの工場跡地に建てられたもの。
ちょうど稽古で劇場にいたジェノバチにも会うことができた。
とって返したトベルスカヤの「エレクトロ・シアター」のそばにあったのが写真のポスター。
25日から上演される「青い鳥」(3部作)のポスターだが、いわれなきゃ、誰もこれが「青い鳥」のポスターだとは思うまい。
演出家に聞くと、第1部が4時間強。
2日目の第2部、3日目の第3部の時間はいまだ未確定だという。
聞いただけでケンさんはひよってしまいそうだ。
夕方、モスクワに着いた河村さんも、これには「?!」。
はたしてどんな結果になるか、神のみぞ知る、である。
ちなみにこの日の晩餐は「巨匠とマルガリータ」の冒頭に出てくる公園のレストランだった。
どうも悪魔に魅入られそうないやーな予感がしないでもない。
ナム。
( http://blogs.yahoo.co.jp/pu_sikin/39260075.html より転載)