モスクワ訪問記(1)
やっと風邪から脱出したケンさんは、2月23日からモスクワにジャンプする。
友人の京都の能楽師・河村晴久さん指導の、モスクワ・エレクトロ劇場の俳優たちが挑む新作「青い鳥」の初日を見るためである。
もちろん、そのためだけに行くのではないが、能の所作を取り入れた「青い鳥」がどんなものか、興味をそそることは確か。
かつて、メイエルホリドは歌舞伎の花道を螺旋階段として使用した。
本来の「花道」とはだいぶ異なる使用法だったが、はたして今度はどうなるのか。
とにかく、見てみないことには分からない。
モスクワで河村さんも一緒に見ることになる。
それとは別に、ケンさんはちょっとした「ミッション」も抱えている。
うまくいけば、これまでの日露の演劇交流とは一線を画す道が開けるかもしれない「ミッション」だ。
これが実現すればとても面白いことになる。
もっとも、現実のものになるかどうかは行ってみてのこと。
おそらく時間を要する交渉になるだろう。
ともあれ、ケンさんは、来週一杯は日本をルスにすることになるわけだ。
心配なのは体調だけ。
かつて、ケンさんはマイナス20度のロシアですっぽんぽんで「聖なる泉」に飛び込んだこともあるが、いまから思えば、とんでも発奮であった。
いまは、とてもできない。
幸い、今年のモスクワは暖冬とのこと。
マイナス1度か2度で日中は3~4度という。
温かいボルシチを食べ、夜食には準備したカップヌードルと赤いたぬきを食べることにする。
冬の夜長用に文庫も3冊持って行く。
ナム。
(「村井健が行く」より転載 http://blogs.yahoo.co.jp/pu_sikin/MYBLOG/yblog.html?m=lc&p=5