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主催事業

(社)日露演劇会議主催 第2回「演劇教育研究会」

2013/10/12
 日露演劇会議事務局

「日本における演劇教育の問題点〜その2」報告 (報告:守輪咲良理事)

9月29日(日)18:00〜20:00、JOKO演劇学校(池袋・みらい館大明)の教室にて「日本における演劇教育の問題点〜その2」を開催、2時間にわたって様々な国内外の演劇事情が語られた。

参加者は全員当会員の西村洋一さん、松本永実子さん、桝谷裕さん、浜中昭子さん、そして守輪の5人。

今回はディスカッション形式で話し合おうということで、全員で机を囲み、予定通り、各自持参の缶ビールを片手に会を開始した。

第1回目のシンポジウム(3月23日開催)以来、研究会をどう活性化していくか──いろいろ検討を重ねているが、まだまだ試行錯誤中である。

日本の演劇教育が世界的にみて非常に遅れをとっていることは何十年も前から言われていることであり、問題意識を伴って議題として正面から取り上げられることもあまりないようである。

日本の未発達な演劇教育の現場に真っ直ぐ目を向け、旧態然としたシステムのなかから新しい何かを生み出していくには何が必要なのか・・・。
私たち日本の演劇人が何をどう努力していかなければならないのか・・・。

海外の演劇人がやってきて、ワークショップが開催されるようになったが、その体験は演劇に反映されているのか・・・。話し合いたいことは、いろいろある。

まずは結論を出すことにこだわらず、互いに交流を深めながら自由に話し合ってみようと、今回の研究会が企画された。

さて、当日の研究会だが、いろいろな話題が次々と展開して、交流という点ではまずまず成功だったように思われる。
以下、思い出せる範囲で話し合われた内容を箇条書きに記す。

日本では専門学校でも劇団の養成所でも演技のクラスは週1回くらいしかないところが多い。しかも一クラス、30人、40人もいて、2、3時間くらいの授業で、どう有効なのか・・・。
大学を卒業しても演技の基礎が全くできていないことに驚く。
ロシアでも韓国でも、学校で朝方まで稽古が続くことがよくある。
ハーバードで行われる夏のワークショップでは、60日間びっしりやる。

日本ではこれまで以上に若い人たちのスタニスラフスキー離れが顕著になってきている。

役者たちの経済問題はどうなっているか。

海外からの演出家と日本人俳優が長期間一緒に芝居を続けていくと、文化の違いがはっきりしてくる。演技について論理的にすすめようとする演出と、何となく分かってしまう日本人俳優との場合など。

身体(行動)と内面(感情)とセリフ(声)をどのようにつなげながら演技の訓練を進めていくか・・・これまでの問題だったし、これからの課題でもある。身体が柔らかく動くようになるだけでも、内面はその影響をうけて表現が変わる。

言葉での演技指導は俳優を頭でっかちにしてしまう問題がある。

以上、思いつくままに。

もっといろいろな話が出たように思うが、最後の30分くらいで面白くなってきたところで終了時間となった。

年内中に第3回研究会の開催が可能かどうか、ただ今、検討中である。

関心ある皆さま方の参加を大いに期待し、魅力ある研究会に成長していくことを切に願っております。