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主催事業

国際人形劇フェスで見事「ベスト・アクトレス賞」受賞

2013/05/27
 日露演劇会議事務局

5月13日から20日まで、ロシア・オムスク市で開催された「国際人形劇フェスティバル『アレルキンのお客様』」に参加した黒谷都一人人形劇『涯なし』が、見事、並み居る競合を退けベスト・アクトレス賞を獲得した。

このフェスは、今年3回目を迎えるロシアきっての国際人形劇フェスだが、第一回開催から、「日露演劇会議」に作品選びの要請が来ていた。

これを受けて「日露」では、黒谷都さんの斬新な舞台を選定。これをもって参加することにしていた。ところが、1回、2回とも文化庁からは助成が受けられず、やむなく参加を見送るほかはなかった。

じつは、今回も文化庁・交流基金への助成は不採用とされ、一時は参加を断念したのである。しかし、3回にわたって不参加とすることは、長い間つちかってきたアレルキン劇場との交流にも差し支えるとの判断から、自腹で参加することにした。

そのため、当初予定していたクルーを大幅縮小し、人形遣いの黒谷さん、と日露演劇会議側の責任者・村井理事、舞台監督兼舞台通訳として西村洋一会員、さらにモスクワから助っ人として人文大学大学院に留学中の佐藤貴之会員が加わるという最小のクルーとなった。

つまり、ツアーに必要なオリジナルの照明・音響・舞台監督抜きでの参加。あとは主催劇場スタッフの協力を得るというぎりぎりの体制だったのである。

この体制でどこまでやれるか、黒谷さん本人も、私たちも不安だった。しかし、蓋を開けて見ると、ロシアの人形劇はもちろんだが、カナダ、スペイン、フランス、インド、フィンランド、イスラエルなどの舞台は従来の人形劇のセオリーに安住したものが多く、日本の「涯なし」の持つ、人形劇の境界を侵犯・拡張しようとする挑戦意欲には欠けていた。

その意味では、今回の受賞は当然の結果ともいえるが、それにしてもと残念に思ったのは、もし今回、助成が得られ、当初予定していた作品をオリジナル・スタッフともども参加できていたなら、グランプリも夢ではなかったろうに、ということだ。