モスクワで本格能ワークショップ開催
朝一番、「行って来ます」のメールが成田から届いた。
能楽師の河村晴久さんからのメールだ。
河村さんはこれからしばらくモスクワに滞在、初めての本格的な能ワークショップをモスクワの劇場で行なう。
カバンには、扇子と足袋がドーンと入っている。
重い。
完全に重量オーバー!
その重い荷物を手に、向かうはモスクワの「スタニスラフスキー記念劇場」だ。
来年の新作『青い鳥』に能を取り入れたいと能楽師の派遣要請があり、河村さんにモスクワに飛んでもらうことにしたのである。
今回の能WS、これ1回ではない。
今年中に数回行なう。
延べにすれば1ヶ月分ほどになる。
文字通りの本格的なWSだ。
これまで演能のイベントは何回かモスクワでも行なわれているが、基礎からガーンと教えるのはこれが最初。
「スタニスラフスキー記念劇場」だけではなく、ロシア演劇にとっても大きな刺激になることは間違いない。
なにせ、ロシアの演劇人、
「能大好き」
とはいうものの実際に連れて行くとみなさんよく眠る。
で、終わると、
「ブラボー!」
しらけることしばしばだ。
しかし、今度のWSでは眠れない。
河村さんにしごかれるだろう。
いや、しごいてほしい。
しごいて、ロシア演劇人の上っ面の能理解をただしてほしいのだ。
ちなみに、河村さんは観世流シテ方の能楽師。
関西の大学やアメリカでも講義している。
いわば、国際派能楽師。
当会専務理事の村井とは文化庁の文化交流使仲間だ。
ツテからツテへ。
文化の交流は、言い換えれば人から人へとなる。
今回のWSの成功を祈りたい。
注:写真は河村さんの「清経」