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主催事業

高校生と大学生のためのドラマワークショップ開催中

2011/01/01
守輪 咲良(演出家/ワークショップ担当理事・常務理事)

やまもとさんのヴォイス指導風景

やまもとさんのヴォイス指導風景

2010年6月、(社)日露演劇会議主催のドラマワークショップ開催の準備にとりかかった。充分な準備期間とは言えないが、9月開始に向けて準備を急ぐことになった。日露演劇会議としては初めての企画である。話し合いを重ね、まずは対象を高校と大学の在校生に絞った。私たち日露演劇会議がめざす正統的な演技、世界に通用する演技の基礎とは何かを、是非、これから日本の新しい演劇を担っていく若い人たちに知って欲しいと願う。時間の短いワークショップで実践的にできることは限られているが、俳優の「楽器づくり」に何が必要なのか、オーソドックスな演技の基礎とは何なのか、体験を通して知って欲しいとの思いがある。とにかく、まずは知ることが必要だ。知ることからすべてが始まっていく。そして参加者のなかから本気で俳優修業に取りかかる若い演劇人がでてきてくれたら、こんな嬉しいことはない。

身体、声、言葉、演技のバランスを考えたこのワークショップは2月末まで続行中である。まず、身体の表現力を高める重要なムーブメントのクラスをシチェプキン演劇大学出身のニジェリスコイ氏が担当。4回にわたって徹底的に身体をほどきながら様々な動作にチャレンジしていく。身体の動きは、動くために動いているうちはまだダメで内面との結びつきが大切。演技とのつながりが私たちの課題だ。やまもとのりこ氏のヴォイスクラスは、「自分の身体を感じる」そして「周囲を感じる」から始まった。内から外へしっかり息を出す。息を声にする。身体から気持ちを解放していきながら、セリフへとつなげていく。やはり内面との結びつきが大切で、俳優の「楽器づくり」には声も身体も内面との結びつきが欠かせない。その他、リーディングでは文章を読み取り、理解したものを声に乗せていく。言葉をいかに明瞭に発することができるかも大切だ。またシアターゲームでは、様々なゲームを通して身体的心理的な「気づき」や相手との「交流」など演技の諸要素にアプローチ。アクティングクラスでは、今回「イソップ物語」をテキストに使用。各クラスでの体験を土台にして短い芝居づくりにチャレンジする。どんな基礎にも共通することだが、楽しんでやれることが成功の秘訣! 内面への結びつきはそのなかから生まれてくる。

今回のワークショップは、9月開講時には6人の参加者でスタート、さらに1人増えて7人となった。残念ながらその後、体調をくずし入院となった人が出たので、現在6人で続行中である。システム自体はまだまだ実験段階で、まずは今回、半年かけて全11回、1回2コマの授業だが、次回は短期間で集中的にやってみようと思っている。
2011年は東京名古屋で開催予定である。是非、地方にも拡げていきたと思っている。要望があれば、こちらから出張ワークショップをしていきたい考えもある。