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キルギスの春は杏から!

2011/12/16
 日露演劇会議事務局

○月×日

日本の春が梅・桜なら、キルギスの春は杏でした。

日本センターの周りには、杏の木がところ狭しと植えられており、今は満開。蜜を集める蜂たちが多忙を極めております。

皆様いかがお過ごしでしょうか。大分間が空きましたが、その後の様子をレポートいたします。

キルギス行きが決まってから、まず困ったことは、キルギス語の学習書・辞書の類が全くなかったことです。苦肉の策でキルギス人を探し始めたところ、キルギスで日本語教師をしていたという方がすぐに見つかり、その方から3名の首都圏在住キルギス人を紹介してもらうことができました。

その中の1人。東京のとある大学院で日本語の研究をしているJさん(女性)と連絡を取り、週に一度、キルギス語の個人レッスンをお願いしました。彼女はすべて自分でテキストを作ってきてくれ、発音、文法とも、非常に丁寧に教えてくれました。恩人の一人です。

いよいよ、キルギスに出発する直前、そのJさんと新宿で会ったのですが、その時ひとつの約束をしました。

ビシュケクに、孤児の寄宿学校があります。キルギス国内で唯一、中等・高等教育で日本語を教えている学校です。しかし、そこに日本人の先生はいません。日本センターとの繋がりも全くありません。JICAに相談してみましたが、断られたそうです。どうしてですか。私は分かりません。江尻さん、お願いします。そこの子供たちと交流してください。日本人のすばらしい日本語教師を派遣できるようにしてください。日本人の日本語教師が来れば、きっと彼らの希望になります。お願いします。

ということで、まずはそのインタルナット・ギムナジア・ノーメル・アジン(第一寄宿学校)のお話です。

最初にキルギスの教育制度について簡単に説明します。「シュコーラ」というのは日本の小学校から高校2年までを合わせたような学校で、11年生まであります。大学は5年制です。第一寄宿学校もこのシュコーラに分類されますが、その名にあるように、寄宿生活を送るという点が異なります。寄宿学校は普通「~のための」という文言がつきます。例えば「難聴者と後天的聴覚障害者のための」というような。この寄宿学校にはその文言がついてないのですが、内容は「孤児のための」寄宿学校ということのようです。

勤務初日、私は日本センターのスタッフに、第一寄宿学校の情報を集めるようお願いしました。キルギス人はみんな良くその学校を知っていて、日本人の私が興味を持っていることを、とても喜んでくれました。すぐに日本語担当の先生の名前がわかり、翌週さっそく授業の見学をさせてもらいました。

第一寄宿学校では5年生から11年生まで、選択授業で日本語を学ぶことができます。他にはアラビア語、中国語、トルコ語、朝鮮語があります。その日は8年生の授業を見学しました。テーマは「~したいです」。決してレベルは高くないですが、旧ソ連式の対訳的なテンポある授業で子供たちはみんな元気元気。先生はさながら二十四の瞳のおなご先生で、まるで幸福なおとぎ話のような1時限でした。

授業終了後、教育長の女性と会いました。「日本人です」と自己紹介すると、彼女は「私の教え子のJが今、東京の大学院で、日本語の研究をしているんですよ」と話してくれました。「とても誇りに思います」と。

Jさんはここの卒業生だったんですね。ここの生徒全員が孤児という訳ではないと聞きましたが、Jさんは孤児だったのかもしれません。そういえば、家族の話を聞いたことがありませんでした。

私が「彼女は私の友達です、私は東京で、彼女にキルギス語を教わったんですよ」というと、教育長はポカンとしてしまい、不思議な感慨にふけっているようでした。

その後JICAと国際交流基金に、日本語教師の派遣について相談しました。結論から言いますと、両方ともにべもなく断られてしまい、私は自分で今できることを考えなければならなくなりました。

キルギスの雛祭り

3月3日、日本センターでは毎年「雛祭り」イベントを開催しています。これに招待しようと思いました。移動手段等、いくつかの困難もありましたが、8年生から11年生までの日本語学習者40名を招待することができました。当日は、浴衣を着ての記念撮影、習字・折り紙・和太鼓演奏・伝統遊びの体験など、短い時間でしたが、様々な日本文化に触れてもらうことができました。

キルギス人スタッフはとても喜んでくれました。そしてもちろん、Jさんもとても喜んでくれました。これは小さな一歩ですが、第一寄宿学校の存在を、在キルギス日本人にアピールすることができたのは非常によかったと思います。今後も交流を続けていきたいと思います。その中から、第2第3のJさんが出てくるかもしれません。それがJさんへの恩返しです。

お習字だ

太鼓どんどん!